今回は、30年以上お付き合いしているみかん生産者さんをご紹介します!
創業1830年。みかんを作り続けて約180年を超える岩本農園さんです。
現在は、7代目の岩本功平さんが継承し、おいしいみかんを栽培しています。
もともと、功平さんは、家業を継ぐ気ありませんでした。
みかん栽培は非常に手間隙がかかり、栽培において「きつい、汚い、危険」が揃う3K労働とも言われる、子供ながらにやりたくないという思いがあったそうです。
(有田みかんは、山の急斜面で栽培するため、一歩踏み外せば転がり落ちてしまうほど危険な場所です。また、土壌の手入れも大変で泥だらけになることもしばしば。収穫の際は常に中腰となり、数十キロのカゴを持ちながら、収穫するため果実栽培の中でもトップクラスで過酷なお仕事です。)
そのため、家業を継ぐ思いはなく、中学の時に出会った塾講師の影響を受け、教師の道を目指し、31歳まで地元の小学校で教鞭を執っていました。
しかし、30歳という節目の年や結婚を機に今後の人生や自身の本当にやりたいことを見つめ直し、農業に興味があることがわかり、家業を継ぐ決意をします。
ご両親は自身の代で家業が途切れると考えていましたが、功平さんが後を継いでくれることに大変喜ばれたとのことです。
まだ就農してから、5年と月日は浅いですが、異業種からの就農のため、過去の経験と新しい視点を元にみかんをよりおいしくするために、奮闘されている最中です。
最近では、過去の教師の経験を活かして、栽培されているみかんやその他柑橘類の啓蒙のため、体験型ワークショップを開催されています。
誠実、真摯な人柄で、勉強熱心。みかんに対する強い愛情をお持ちの生産者さんです。
我々、石川商店は生産者さんとともに歩む企業です。
功平さんのような生産者さんを応援し、ともに成長しながら日本農業の活性化に少しでも貢献できればと考えています。
功平さんが丁寧に、丹精を込めて栽培していることがおいしさの理由であることはもちろん、そのほかの理由があります。
栽培環境は、和歌山県有田(ありだ)市。
和歌山県の中部に位置する有田地域は厳しい傾斜の山林地帯が特徴。山特有の地域条件が日当たりをよくし、年間を通して日照時間が長いです。また、年間平均気温が16.5℃とされ、1年を通して温暖な気候がおいしいみかんを栽培する秘訣になります。
また、みかんの甘さを決める重要なポイントは水分管理です。驚くことに、水を与えすぎると味が薄くなり、反対に与えなければ味は濃くなります。
特に、みかんの甘さが決まる7月、8月に水を与えないようにすることが重要。有田市はこの時期の降水量が少ないことから、みかんに適度な乾燥ストレスを与えることができ、結果としてみかんの糖度を高めることができるのです。
そして、9月から収穫期までは程よく雨が降ることから、果実を肥大させ、酸味を和らげることもできます。
つまり、「長い日照時間」、「温暖な気候」、「適期における適切な降水量」がおいしい有田(ありだ)みかんを作り上げるのです。
功平さんが栽培するみかんは、長峰山系の山岳地帯に位置しています。
その地帯は、日本最古の地層・秩父古生層が広がり、様々の大きさの石を含む土壌が特徴。いわゆるガラガラとした土であることが、排水・通気性を良くしています。
そして、養分を保持する力もあり、適度な保水力を持つことから、みかん栽培にとって最適な土壌とされています。そのため、糖度と酸味が絶妙なバランスで存在するみかんを作ることができます。
急な傾斜地のみかんは石垣を組んだ階段型の畑になっています。この石垣もおいしいみかんを作る秘訣になっています。
石垣は太陽光を保温・反射する効果を持っています。
そのため、有田みかんは「太陽の光」、「和歌山湾や有田川の反射光」、「石垣からの反射光」といった三つの太陽を存分に受けて、効率的に光合成ができることがおいしさの秘訣なのです。
農薬を極力抑え、有機肥料を使用した栽培(※1)をしています。
また、着色剤、防腐剤、ワックスを使用していないこともこだわりです。
※1
節減対象農薬:当地比 7割減
化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用
■二度切り
一度ヘタをハサミで浅く切った後に、根元までヘタを切り落としています。そうすることでハサミでみかんを傷つけることを防いでいます。また、尖ったヘタが他のみかんを傷つけないようにし、発送中の傷による劣化を防止する役割があります。
■手作業の選別
生産地と石川商店で二度の手選別を行い、不良品をできる限り取り除いています。
また、当店にてコンテナ下部のみかんを上部に、上部のみかんを下部にする天地返しをしているので、自重による潰れや腐蝕を防止しています。
以下がみかん生産者が教えるおいしいみかんの特徴です。
1. オレンジ色が濃い
2. 果皮が薄く、張りがある
3. 果皮のつぶつぶのキメが細かい
3. 中玉(大玉は味が薄い)
4. ヘタの切り口が細い
5. みかんのお尻がぼこぼこしている
(見た目は悪いですが、乾燥ストレスを受けて甘い証拠です)
功平さんのみかんはこのような特徴に該当することが多く、毎年とってもおいしいみかんです。
もちろん、自然の作物なので、毎年出来は異なりますが、その年ごとに微妙に変わる有田みかんをお楽しみくださいませ。
有田みかんには、収穫時期により4つの呼び方があります。
09月上旬〜10月上旬 極早生(ごくわせ)
10月下旬〜12月上旬 早生(わせ)
12月中旬〜12月中旬 中生(なかて)
12月下旬〜03月上旬 晩生(おくて)
収穫時期により、色、甘味、酸味、外の皮、内の皮(みかんの果実が入った袋)、保存性が異なります。
一番人気のみかんは、早生みかん。
功平さんも、当店も一番のおすすめみかんです。
強い酸味と、程よい酸味のバランスが良く、何個食べても飽きないみかんとなっています。また、数日置くと酸味が抜けてくるので、味わいの変化が楽しめるみかんです。
ただ、人によっては、酸味が苦手の方もいらっしゃると思いますので、そんな方におすすめは、中生みかんとなります。
酸味が抑えられており、甘味を感じやすいみかんで、内皮も薄いため食べやすいのが特徴です。
当店は2つの時期の有田みかんを扱っています。
有田みかん(早生)
5kg・10㎏ https://www.gokokumai.co.jp/?pid=83628240
有田みかん(中生)
5kg・10㎏ https://www.gokokumai.co.jp/?pid=177931962
ただ、今は旬を過ぎてしまったので、今回は特別にせとかをご紹介します。
せとかとは、「香りの良い品種」と「食味の高い品種」を掛け合わせてできた品種です。
爽やかな香りと、密度の濃いずっしりとした果肉、とろりとした食感、溢れるみずみずしさから「柑橘の大トロ」と呼ばれています。
以下がせとかの特徴です。
・種が少なめ
・外皮が薄い
・内皮が薄く、ふわふわ食感
・豊かな香り
・せとか特有のフレッシュな柑橘さ
(人によりグレープフルーツのようなほろ苦さを感じる方もいらっしゃいます)
・濃厚な甘味と爽やかな酸味
・密度が濃くずっしりとした果肉とたっぷり果汁
せとかは、栽培数が少なく、収穫時期も短いため、市場に出回ることがほとんどないとっても希少な品種です。
そのため、販売数は限られてしまいますが、今回、限定数で予約を承ります。ご興味をお持ちの方は以下からご注文いただければ幸いです!
せとか
1㎏・2㎏・5㎏ https://www.gokokumai.co.jp/?pid=173202674
「誠実な人は、誠実なものを作る」
その言葉とおり、功平さんの作るみかんは心が込められており、温かみのあるみかんです。
減農薬・減化学を基にした土づくり、細やかな水分管理、心遣いが現れた収穫方法、丁寧な選別を経たみかんをぜひご堪能くださいませ!