栽培レポートも今回で最後!
伊勢ひかりの刈り取り、検査、製品化までお知らせします!
除草・溝切りから1か月、すくすくと育っており、青々と美しい姿に。
ただ、穂がそろってきたタイミングで問題が発生。
水稲栽培の天敵、カメムシが出始めました。
そして、その数が多い・・・!
この中に少なくとも5匹のカメムシが・・・。
カメムシは、出穂したばかりの水稲の籾に口針を刺し、栄養を吸ってしまいます。
カメムシの被害にあった米は栄養が無くなるだけでなく、細菌が入り、変色してしまいます。
これは外観品質を悪くする上、香りや食感、食味を著しく損なってしまうため水稲栽培にとってカメムシは天敵なのです。
大きく2つの理由があります。
カメムシの発生は、1年おきに増えたり減ったりする傾向にあります。
8月1日時点で全国27都道府県にカメムシ注意報が発表されるなど、今年は不運にも「表年」となり大量に発生してしまいました。
ちなみに、カメムシの「表年」、「裏年」はスギやヒノキの実の豊作、不作と周期が似ています。それらが豊作だとカメムシは山から下りてきませんが、不作だとエサを求めて田んぼにやってきます。
気温が高いとカメムシの生育が早く、活発になります。また、今年は梅雨明けが早く、雨が少なかったためカメムシが病気にならず増加につながりました。
通常であれば、農薬を使用すればカメムシを除去できます。
ただ、今回は農薬を使用しないため、以下の方法を実施しました。
消石灰を散布した後は、全体的に稲が白くなります。
無風の時に散布しなければ、効果が薄れるためその日の風を見ながら実施。
時間が経つと色は薄まりますが、上記は根本が白っぽくなった写真。
消石灰だけでは、期待通りに除去できなかったため、焼酎と唐辛子をブレンド。
複数回に分けて、100倍、50倍にして散布。
対策が功を奏して黄金色の美しい稲穂の姿に。
カメムシ被害は出てしまったものの、順調にすくすくと育ってきました。
徐々に登熟してきたので、いよいよ稲刈りです。
ただ、9月末は台風の影響もあり、1週間雨続き。
一日だけ、午後に晴れの日があったため、稲の乾き具合を見つつ、急遽刈り取りを決定しました。
時間との勝負。いざ出陣!
慎重に丁寧にコンバインを操作。
びしっとまっすぐ。見てて気持ちいいですね。
畔の赤い花はすべて彼岸花。彼岸花の球根には毒性があるため、モグラ除けとして植えています。
ある程度刈り取ったら、籾を移動。
この道、約35年の夫婦の阿吽の呼吸です。
刈りたてほやほやの籾。
籾はすぐに大型の乾燥機へ。
トラックからスクリューで乾燥機へ移動。
三平さんの長年の勘を頼りにゆっくりと丁寧に乾燥していきます。
手間と時間を惜しんで、急に乾燥してしまうと玄米が割れてしまいますが、今回のお米は時間をかけて、ゆっくりと乾燥したため高品質な仕上がりになりました。
そしてなにより、乾燥場、籾摺り場がとってもきれい!
どの機械もピッカピカで丁寧に愛情を込めてメンテナンスしていることが伝わり、感動してパシャり。
三平さんが丹精込めて最高品質の伊勢ひかりを作ってくれましたので、あとは我々お米屋の腕の見せ所です。
お米の品質はよいものの、やはりカメムシの被害が散見されました。
そのため、時間をかけてじっくりと以下のように選別して黄金色の仕上がりに。
あとは、JAの等級検査を残すのみ!
農産物検査法にもとづき、全国で統一された規格により、品位(1等~3等の等級)、年産や銘柄などの証明を行うことです。
具体的には、農産物検査員が整粒、水分、被害粒、死米、着色粒、異種穀粒、異物などを見ます。
等級検査を受けるため、JAきみつに玄米を持ち込み。
検査用の器具を刺して、玄米を抽出。
抽出した玄米を専用のトレーに移動。
国家資格を持つ検査員による品質チェック。
無事に一等米の証明をしていただきました!
一等米の中でもとてもきれいとご評価いただき、一安心です。
これにて2022年度の栽培レポートは終了となります。
幻の米であるが故に、栽培方法が確立していない伊勢ひかり。
それを無農薬で栽培することは大変でしたが、三平さんと共に苦労した甲斐があってとってもおいしい仕上がりになっています。
数に限りがあり、1回のご注文につき5㎏までになってしまいますが、農薬を使用していない幻の米伊勢ひかりが気になる方はお気軽にお申し付けくださいませ!
===ご注文はこちらから===
・幻のお米 自然農法伊勢ひかり
===============