今年も、もち麦(ダイシモチ)・はだか麦の産地 愛媛で開催される伝統神事「麦熟らし(むぎうらし)」に参加してきました。
■麦熟らしとは:
麦刈り前の予祝(よしゅく)。実りを神に感謝し、豊作を祈願する神事。麦の収穫を前に、はやる気持ちを抑えて英気を養う伝統行事です。
神事のあとは、大規模な食事会。もち麦(ダイシモチ)とはだか麦をふんだんに使用した料理が振舞われます。
今年の出来は、年明けの長雨の影響で生育が遅れてしまい、粒が少しだけ小さくなりそうですが、赤紫色の色付きは昨年よりもよさそうです。
もち麦(ダイシモチ)の赤紫色はアントシアニンと呼ばれる天然色素ですが、水に溶ける性質のため、雨が降るとせっかくの色素が取れてしまうことから雨が降らないうちに急いで刈り取ります。先の天気が雨予想になると、昼夜問わず24時間収穫作業が続くので収穫間際のこの時期は天気予報から目が離せません。
今回の神事の参加で、驚いたことが一つ。
それは、はだか麦が、日本食品標準成分表に追加を予定していること。
■日本食品標準成分表とは:
文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会が調査して公表している日常的な食品の栄養成分に関するデータ。学校や病院などの給食業務で栄養素を計算する上で重要な資料の一つ。
現在、日本食品標準成分表には、大麦が掲載されていますが、この大麦は意味合いが広く、「ビールに使われる麦」や「ごはんやみそに使われるはだか麦」のことを指しています。使用用途からわかるように、栄養成分が若干異なりますが、一緒のものとして掲載されています。
そのため、この成分表を基に栄養計算をする管理栄養士にとって、はだか麦と掲載されずに大麦と掲載されていることが悩みの種でした。
はだか麦が栄養が高いのはわかるが、はだか麦の詳細な栄養成分が掲載されていないため、栄養計算ができないので食材として使用しないこともしばしば。
そこで、牧さんが農林水産省、愛媛県に長年かけあうことで、ようやく大麦ではなく、はだか麦としての掲載が現実的になってきました。
掲載すれば、さらなる需要拡大につながることはもちろん、産地の景観を守ることができ、はだか麦を栽培により栽培放棄地を減らすことができるので、一石二鳥です。
無事、掲載となりましたら、詳細な栄養成分をみなさんにもお伝えしますね。
生産者の長年の努力により、はだか麦の生産量、栄養素が注目され、成分表にも掲載を予定されているので、この機会に、いままで日の目を見なかったはだか麦をぜひお試しくださいませ。
この記事を書いた人
石川 和明
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。五ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。
1989年生まれ。石川家三男。Hawaii Pacific Universityを卒業後、IT系人材会社に入社。約10年の人事コンサルティング経験を経て、石川商店へ戻る。精米、企画、営業などを担当。お米と雑穀、仕事大好き人間の一児の父。五ツ星お米マイスター、お米ソムリエ、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、雑穀調合士、千葉県農薬管理指導士。累計炊飯実験数:3,000回以上。