割烹旅館 清都 様
目次
1日7組限定。上質な空間と料理を提供する割烹旅館 清都。人気が絶えない高級旅館の3つのこだわりをお伺いしました。地元のお米屋さんから石川商店に切り替えて気付いた米質と炊き上がりの違いに迫ります。
取扱店舗:割烹旅館 清都
店舗場所:295-0103 千葉県南房総市白浜町滝口6241
電話番号:0470-30-5030
URL :HP、Instagram、Facebook
取扱商品:極献上・とねのめぐみ
清都俊仁。千葉県館山市出身。高校では調理を学び、大学では商学を専攻。大学時代に、アイマスクを付けてプレーするブラインドサッカーに出会い、日本代表強化指定選手に選ばれる。大学卒業後は、ブラインドサッカーのスポンサー企業である不動産会社に営業として入社。2014年に家業に戻り、現在は代表取締役として会社の経営を始め、仕入や経理などの業務全般を担当。
大学卒業後は、不動産会社にて、ブラインドサッカーの活動を支援してもらいつつ、営業としても勤務していました。ただ、営業の仕事が忙しくなってしまい、日本代表の遠征などに参加できないことも多くなってしまったんです。
まだブラインドサッカーを続けたい気持ちが強かったため、将来どのようにするか悩んでいました。ある時、帰省した際に旅館の女将でもある母親に相談したところ、「やりたい気持ちを大切にしてやり切りなさい」と言われたんです。そして、「アスリートとしての活動をできる限りサポートするので、こちらに戻って手伝えるときに旅館の仕事をやってみてはどうか」と話があったんです。幼少期から、いつかは家業を継ぎたいと考えていたため、思い切って不動産会社を退職し、地元に戻ってきました。
当初はブラインドサッカーを中心に活動していましたが、次第に旅館業が楽しくなり、日本代表を引退してからは旅館業が本業になりました。
意外でしたが、ブラインドサッカーと旅館業に共通点があったのです。
それは、相手の立場に立ち、喜ばれるサポートをしていること。
ブラインドサッカーは、アイマスクを付けて視覚を遮断し、音の出るボールを使用します。フィールドには5人いますが、キーパーだけアイマスクをしません。そのため、目の見えないプレーヤーは、目の見えるキーパーや監督などの声を頼りにプレーします。声掛けはわかりやすく簡潔にゴールまでの距離、角度、タイミングを伝えているんです。
旅館業も、様々な方々がご宿泊されるので、それぞれの立場に立ち、喜ばれるサポートをします。私たちの場合は、高齢者や障がい者の方々にも利用しやすいようにハード面とソフト面でのバリアフリー対応を心掛けています。
ハード面では、スロープや手すりの設置、階段を上りやすいように段差を小さくしています。
ただ、このようなハード面を直すのは非常に難しいので、ソフト面での改善に重点を置いています。
視覚障がい者の方々には、「20cm先の右斜め45度に、お吸い物があります」といったように頭の中でイメージがしやすいようにお声掛けをして、耳が聞こえないろう者の方々には、筆談で対応し、手足に障がいをお持ちの方には手を取ってお部屋までお連れしています。
目や耳、手足などに障がいを抱えていたとしても、心は健康なんですよね。そのため、ご宿泊を存分に楽しんでもらうようにハード・ソフトの両面からお役立てるようにしています。
おかげさまで、障がいをお持ちの方のご宿泊も増えてきて、リピーターになっていただける方が多いので、嬉しい限りです。
まさか、ブラインドサッカーでの経験が、旅館業に生きるとは思いませんでしたし、すべての経験がつながっているようで不思議です。
私たちのこだわりは、3つあります。
それは、「プライベート空間」、「心地よい距離感を保った接客」、「南房総を満喫できる食事」です。
1つ目は、プライベート空間であることなのですが、これは2019年に千葉県に上陸した記録的な台風がきっかけでした。
台風により、旅館の屋根や窓ガラスが吹き飛ばされ、客室は水浸しになり、営業停止に追い込まれました。
地域全体が被災しているため、改修工事業者も見つからず、やっと見つかったと思っても、しばらくしてから緊急事態宣言が発出され、資材も届かず、業者も来れず、改修工事ができない日々が続いたんです。
工事ができないとなると、時間が生まれるので、今後どのような旅館にしたいかを考えることができました。
今振り返ると、これが良いきっかけだったと思います。
まずは、お客様とスタッフの安全を考え、大宴会場を廃止して、各部屋にダイニングスペースを作る決断をしました。お客様からの声を参考にして、リビングスペースとダイニングスペースの切り分けをしたんです。
部屋食ができる旅館はよくありますが、部屋で食べるとなると荷物を片付けないといけなかったり、食後の匂いが移ってしまうこともありますよね。大宴会場で食事だとしても、他の人と会うことになるので、特に女性はお化粧をしたり、身なりを整えることが面倒などといった声を思い出して、部屋のリビングスペースとダイニングスペースが切り分けられているお部屋にしようと決意しました。
それぞれのスペースを切り分けた設計にして、スタッフの導線も考慮しながらお客様だけのプライベート空間を作り上げました。
2つ目のこだわりは心地よい距離感を保った接客です。カップル、夫婦水入らずの特別な時間であるからこそ、それを邪魔しないように心掛けています。昔ながらの旅館だと、面倒見のよい仲居さんがいましたよね。あれもこれも全部面倒見てくれるようなお節介さだと、お客様に変に気を使わせてしまうと思うんです。そのため、お客様をよく観察して、お話好きの方にはお話させていただき、落ち着いた雰囲気を味わいたい方には、お話は控えるようにしています。
最後は、南房総を満喫できるような食事を提供しています。南房総で水揚げされないマグロよりも、地元の新鮮な地魚を召し上がっていただきたいと考えています。例えば、マダイ、キンメダイ、タチウオ、イサキ、イセエビ、アワビなどを中心にお食事を提供しています。もちろん、四季に応じておいしさも異なるため、そのときに最もおいしいお食事になるように心掛けています。ちなみに、最近ではトラフグも水揚げされるようになったので、いまはメニュー開発中です。
業界的には珍しいのですが、リピーター率が高いのが特徴です。
3つのこだわりを気に入っていただき、おかげさまで非常にありがたいお言葉を頂戴するようになりました。
たとえば、あるお客様は、20年ほど前にご宿泊された際にプロポーズされ、ご結婚された方がいらっしゃいます。思い出深い出来事だったこともあり、ご子息のお名前に旅館と同じ、清都という名前を付けたとのことでした。ご子息も大きくなり、一緒にお泊りいただけた際にそのように仰っていただき、大変嬉しかったです。
他のお客様の場合は、お客様のお父様が余命宣告をされ、最後の家族旅行先としてお越しいただいたこともあります。素敵な思い出が詰まった旅館として、私たちを思い出して最後の時を過ごす旅館としてお選びいただいたこともあります。
このようなお話をお聞きすると大変うれしいですし、今後も引き続きみなさまにとって快適な時間をお過ごしいただけるようにスタッフ一丸となっておもてなしをしたいと気が引き締まる思いです。
元々、地元のお米屋さんからお米を仕入れていました。昔からの付き合いのあるお米屋さんだったのですが、年により品質のばらつきがあることに悩んでいました。黒い点があるお米や全体的に黒ずんだお米も目立ち、炊き上がりにも悪影響が出ていたんです。旅館も、こだわり抜いてリブランディングすることが決まっていたため、新しい仕入先を探すことにしました。
元々、石川商店さんは知っていたので、試しに千葉県のお米をいくつか購入して、銘柄・産地・価格を伏せて料理長と一緒に試食をしたところ、満場一致で「極献上・とねのめぐみ」がおいしいとなったんです。こんなにおいしさが違うのかとびっくりしました。外観も、味も、食感も香りも粘りも断然おいしかったです。そのため、石川商店さんに相談させていただき、業務価格で購入させてもらうことになったのです。
常連さんからは、ごはんがおいしくなったねとお褒めのお言葉をいただきました。お食事を楽しみにご宿泊される方が多いので、やっぱりごはんが変わったこともわかるんですよね。あとは、どこのお米を使っているのか、お土産用や自宅用で買えないかなどといった声も本当に増えてきたんです。あらためて、石川商店さんのお米に変えてよかったですね。
夜はその時々の一番おいしい地魚を使用した釜めしにしています。事前にお米にしっかり出汁を吸収させて、お客様の前で羽釜で火力を強めにして炊くので、ふっくらとした食感でごはんの旨みを最大限引き出すようにしてますね。ちなみに、この「極献上・とねのめぐみ」は出汁をよく吸うので釜めしにはぴったりだと思っています。
まずはお気軽にご相談ください
希望が明確でない場合も、まずはお気軽にお問い合わせください。お米・雑穀のスペシャリストが、貴店に最適な品種の選択からオリジナルのブレンドまで一緒に考え、ご提案いたします。