「日本経済新聞」に掲載されました。
千葉県君津市の米穀店、石川商店の石川善雄社長は、雑穀のブレンドパックを1989年に他社に先駆けて商品化。今では雑穀の代名詞のようになっている「五穀米」も同社が商標登録を持っている。
雑穀に注目したきっかけは先代社長の父と母をともに50代の若さで病気で亡くしたこと。「戦後、食生活は豊かになったが、同時に健康によくない影響もあったのでは」と考えた。米もかつて一般的だった玄米食から5分づき、7分づきと精米の度合いが高まるにつれ、玄米に含まれるミネラルなどが失われる。栄養素を補う手段が必要と雑穀に目を向けた。
配合や加工方法に工夫を重ね、納得のいく製品に仕上がったと感じたものの「十年間は鳴かず飛ばず」。当時と比べれば隔世の感と思いつつ、「雑穀人気は一過性で終わるのではなく、主食の一部として定着してくれれば」と期待する。