「日本農業新聞」に掲載されました。
コメとライバル関係にあるパンを販売している米屋が千葉県にある。食糧法の施行でコメ販売が激化するなか、町の小さな米屋の「健康」を前面に出した生き残り戦略の一環だ。パンは雑穀入りと米を混ぜた特別製。パンのほか自然健康食品や自然化粧品なども取り扱う。同店では「米屋はもう米を売るだけでは通用しない。消費者に「何か」を提供、提案しないと」と話している。
君津市にある石川商店。昨年6月から健康にこだわったパンを作る福島市のパン製造会社からキビ、アワ、アマランサスなどの雑穀入りのパンを扱い始めた。「客のニーズに応えただけ。今や1日3食ともご飯という家は少ないし、米とパンがぶつかりあうことはない」と店主の石川善雄さんは米屋がパンを売ることにまったく抵抗を感じてはいない。
同店は市内の新興住宅地内にあり、石川さんで2代目。食管法は近い将来廃止にされ、健康産業の時代になると踏み、店を改装した平成元年に旧態以前の米屋から「食生活から健康を提案する」ナチュラルマートに変身した。
お客様が望む品揃えを第一に味噌や梅干し、果物のペーストなどの自然健康食品や調味料、化粧品、洗剤などから陶器まで現在、商品数は400にも及ぶ。
石川さんは「消費者は健康に関心が強く、それにこたえる米屋にならないといけない」と、これからも雑穀の良さを強調した商品開発を手掛ける考えだ。