「月刊食糧ジャーナル」に掲載されました。
米穀店がコメ以外のもので新しい商品を開発し、販路を広げていくのが非常に難しい。有機低農薬米や産地直送といったコメの持つ付加価値で差別化を図っていくのにも限界がある現状では、これが米穀店の活力を損なわせている一つの要因と言えるかもしれない。そのような環境にあって、(有)石川商店では、玄米と雑穀を組み合わせた「五穀米ごはん」を開発、電子レンジを使って手軽に食べられる食品として同店が直接販売するほか、米穀店ルートなどを通した販売も始めている。
米穀店はコメの販売で繋がりを持つことができたお客様に対して、その販路をコメの販売にしか活用しないところが多い。近年はさまざまな商品をコメとともに販売していこうとする米穀店が増えたが、コメ販売自体にしっかりした販売力がなければ、他の商品を一緒に販売していこうと思っても売上にはつながっていかない。
また、販売力を強化しようとして安売りを行い、お客様の数を増やそうとする米穀店もあるが、それは米穀店にとって逆効果の場合が多い。うちで圧倒的な販売量を持つ千葉県産コシヒカリについても周りの米穀店などは10㎏4500円といった低価格で販売している店があるが、うちでは大多喜町(夷隅)を始めとするAランクの5産地に絞り、価格も10㎏5300円で販売している。地元産のコメを安売り商材としてではなく、ランクの高い産地を選んで安定的に販売していくことで、品質の確かなコメを求めるお客様の信用を得ていると思っている。