■今回の米騒動について
昨年(2023年)は不作ではないという作況指数も出ていますが、温暖化や高温障害等により品質面では良くない地域も多かったこともあり、歩留まりと呼ばれる製品にする割合が悪かったことから全体量的に見れば平年作以下と言っても過言ではなかったと思います。
また、農政の減反政策で年々減り続けてきた現実があり、需給バランスをギリギリでやってきた中、今回新米までの端境期や災害(各地での台風被害、南海トラフ緊急情報)、コロナ禍明けからのインバウンドの急増、業務用米の増加、各家庭でのほんの少しの増量などが複合的に重なり、令和の米騒動と呼ばれるほどのパニックになっていきました。
また、新米も順次出てきてはいますが、米作りにおける燃料費、人件費、肥料代、輸送コスト含め生産コストは全て上昇しています。電気代、水道代、ガス代という光熱費だけをとっても値上がりしているのはすでにご存じの通りです。また、農家さんの扱う機械や、お米屋で扱う機械も数百万~数千万という高額なものばかりで、このコスト回収、日々のメンテナンス、低温保管による品質を保つための年間の管理費、故障に伴う高額な修理費等含め、厳しい経営となっている場所が多くなっており、農家や米屋を廃業せざるを得ないところまで来ていて、現に廃業に追い込まれている場所も多々あります。
米農家やお米屋は主食という観点からも薄利多売でギリギリで行ってきた現状があります。ただ、昨今の騒動もきっかけとなり、お米の見直しが全国規模で始まっていくことから、日本の主食として【生産的に続けられる農業】にすべく今年度(令和6年度)の新米からは全国的な価格の見直しにより、価格が大きく上がっております。
ただ、お米については価格的にも優等生に位置する為、比較的家計に優しい価格と言えます。
例えば、5kgで4000~5000円のお米を購入した場合、お茶碗1杯で50~70円ほどとなり、外食はもちろん、野菜や果物、ジュースなどと比べても遥かに家計に優しい価格ですので、ご理解が広がることを切に祈っております。
新米価格については便乗値上げや暴利を得ている訳ではなく【正常な価格に戻った】という考え方が正しいと考えております。その中、我々としても農家さんを守ることはもちろん、安定供給、高品質化に向けて適正価格を見出した中での販売価格の改定となりますので、何卒ご理解いただきご了承くださいます様よろしくお願いいたします。
我々としましては適正価格を見極め、品質管理、安定化を念頭に生産者、我々、お客様と三方良しとなる様、未来に向けて生産可能で持続可能な農業を確立すべく努力して参りたいと思います。また、引き続き美味しく安心安全なお米を皆様にお届けしていきたいと思いますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。